認知症の人や家族、医療福祉のプロと地域の人たちが一緒になってタスキをつなぎ、日本全国を縦断する「RUN伴」。
イラストレーター、カメラマン、編集者、デザイナー、ディレクターなどのクリエイターたちがRUN伴を体感し、その気づきや楽しさを発信していくのが「RUN伴Stories」です。
Stories一行は、千葉県銚子市で開催された「RUN伴銚子」に参加。美味しく、楽しく、にぎやかに……? 土地の魅力を満喫してきました!

まずは、やっぱり……!

銚子のみなさんとStoriesメンバーが「はじめまして」。目の前には銚子の新鮮な魚と酒がならんでいます。一堂に会したのは『魚屋の台所』という名前からしてたまらんお店。やっぱり期待を裏切らない! 元漁師をされていた大将の手によるキンメ、刺身盛り、ブリの照焼、にぎり……何を食べても美味しかった(再訪必須!)。
千葉県全体のRUN伴の活動を取りしきる実行委員の皆さんも参加してくださり、RUN伴Storiesについての意見・提案・感想もいただくことができました。感想としては……五味ちゃんのイラストが大人気! 「あれだけ、地域のことを優しく描いている絵はない!」なんて言ってもらって五味ちゃんも大変嬉しそう◎
一同心地よく酔い、「また明日からの取材もがんばろう!」と思えた前夜祭なのでした。

魚! 魚! 笑顔!

Storiesメンバーの日頃の行いのよさが出た……? なんとなんと、取材のタイミングで一大イベント「銚子港水産まつり」が開催されていました! このイベント、駐車場には県外ナンバーの車もずらりと並ぶほどのすごい人手! 目の前で巨大まぐろを堂々とさばく兄さんや、キンメの鮮魚を販売する肝っ玉かあちゃんたちの勢いに、負けじと必死に売り場をまわりました。マグロ丼にたこ飯、サザエ串……。「美味いよ〜!」「幸せ〜!」を連発。
最後の仕上げは、RUN伴実行委員の峯岸さんが持ってきてくれた水揚げされたばかりのサンマを20尾! 仲よく分け合い、お土産たっぷり、帰ってからも美味しい旅となりました(峯岸さん、ありがとう! サンマも絶品でした……)。

漁師のまちだから!

日本一の漁港をもつ銚子。古くから漁業と人々の暮らしは深い結び付きがあります。RUN伴の1シーンを見ても、その歴史を感じます。「城山社中」というちんどん屋さんがRUN伴のランナーを音楽でサポート。コースの休憩地点となる「飯沼観音」ではライブも行われ、「ラストは、銚子大漁節でしめましょう!」と城山社中が声をかけると、みなさん当然のように踊りだす。車椅子のおじいちゃんも、配られた今川焼きをさっきまでほうばっていた子どもたちも、みんな一緒に「大漁だ〜え〜!」。
銚子の人なら踊れるという大漁節。漁の安全や大漁を願う銚子のひとの思いにつられて、見様見真似で手を動かしたのでした。

時の堆積、銚子ジオパーク!

2012年に、全エリアが日本ジオパークに認定された銚子市。ジオパークとは「大地の公園」という意味で、地球(ジオ)を学び、丸ごと楽しむことができる場所です。実行委員・峯岸さん案内のもと、景観美あふれる数々のエリアにStoriesメンバーも大いに感動。
写真上/「千と千尋の神隠し」と案内されたのは、屏風ヶ浦の上を走る道の下にあるトンネル。不思議な世界に迷い込んでしまいそう。「わ️ー!」とか「あー!」とか大きな声出すとこだまして音が返ってくる。ここを抜けると、屏風ヶ浦と元気な太平洋がひろがります。
写真中/銚子のひとにも人気の屏風ヶ浦。約10kmにわたって、高さ40~50mの断崖が続く圧巻のスポット。メンバー・ナカハマと案内人・峯岸さんが小さく見えます。
写真下/高さ18m、周囲約400mの巨大な岩体の「千騎ヶ岩(せんがいわ)」。断崖絶壁風なポーズで決めてますが、簡単に登ることができるのだとか。お隣には、犬の耳のようなカタチをした「犬岩」も見えます。

しょうゆ醸造の技!

まだまだあります! 銚子と言えば「お醤油」。江戸初期の時代、紀州からもたらされたしょうゆ醸造は、銚子の環境にもぴったりだったそうです。銚子の濃い口しょうゆは、利根川・江戸川の水運で江戸へと運ばれ、寿司や天ぷら、蕎麦に合うとたちまちひろがっていきました。
しょうゆ味わい体験館」で、醤油の歴史を学びながら、濃い口醤油がほどよく香る「しょうゆソフトクリーム」を堪能!
RUN伴参加者の皆さんにも、お土産としてお醤油が渡されていました。地元の味は、ここから生まれているんですね。

線路も歴史もつながっているのです

魚や野菜、醤油を江戸に運び、経済を発展させてきた銚子。もたらされた富は地元のために使われ、中でも忘れてならないのが「銚子電鉄」。そのレトロな電車や駅舎にはファンも多く(鉄子なメンバー・ヤマモトもメロメロに)、「ぬれ煎餅」など商品開発や企画を開催し地元を発信し続けているローカルな鉄道会社としても知られています。
昭和感漂う外川駅でStoiresメンバーが目撃したのは、なんとライブ電車! 片道約20分、電車に揺られながらライブが楽しめたんだとか。そうかと思えばあちらには、写真展の会場になっている電車も! 遊び心を忘れない「銚電」のおかげで、われわれも笑顔で銚子を後にしました。
線路は続くよどこまでも。銚子の歴史も続いていくよ、どこまでも。

取材を通じて出会った銚子のひとたちのあたたかさ、力強さにパワーをもらいました。取材にご協力いただいたみなさん、どうもありがとうございました!

取材メンバー(左から)

イラストレーション 五味健悟
編集・執筆 山本梓
写真 末吉理紗子
プロデュース・ディレクション 中浜崇之(NPO法人Ubdobe)

取材日:2019年11月1日〜3日
Special thanks!!! RUN伴銚子 実行委員会の皆様、千葉県銚子市の方々

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