気軽に集まれるまちのコーヒー店だからこそ、できることがあると思っています。

林 健二さん

宝物:グリーン エプロン カード(Green Apron Card)

林 健二さん

スターバックス コーヒー町田金森店で店長をしています。
町田エリアにある8店舗は、月に一度「認知症カフェ」を開いています。認知症の当事者の方やご家族、支援する方々が集まって、情報交換や悩みを共有する時間を過ごしていただいています。

その日はお店の一部を予約しておくだけですので、基本は通常営業と変わりません。一般のお客様の中には、認知症が他人ごとでない方もおられます。ゆるやかに開かれている認知症カフェに飛び入りで参加される方もあるんですよ。「実は、うちの母が認知症で……」と、オープンな出入り自由の場となっています。気軽に集まれるまちのコーヒー店だからこそ、できることがあると思っています。

地域の方に向けて、公民館でコーヒーの淹れ方の講習会をやっていたときのこと。そこで知り合った高齢の男性が、実は軽度の認知症の方でした。ある時、この方が駅に買い物に出てお財布をなくしたことに気づいたそうで。そういう時って、たいてい交番や駅員に相談することが多いと思うのですが、その方は駅前のわたしのお店に来てくださったんです。「お財布なくして困っちゃったんだけど、見たことあるロゴがあったからここに来たんだよ」。
地域とのつながりや日常のゆたかさなど大切にしてきたことが、ちゃんと届いていたんだと実感できました。僕らの存在する理由はここにある、だからこの仕事はやめられない! と。

RUN伴には、2016年から協力させてもらっています。ゴール地点であった町田駅前のカリヨン広場で、ゴールした方へコーヒーを配ったのがはじまりでした。
2017年のRUN伴では、コミュニティにつながりを持ちたいと思う従業員を町田の8店舗から集めました。キーカラーであるオレンジのバンダナを身に付けて接客しています。地域のイベントをお手伝いすることで、そこに住む人との信頼関係が生まれサービスの向上にもなりますし、スタッフ自身の成長にもつながると思うんです。接客だから笑えと言っても、自然な笑顔にはならないですよね。楽しいから笑うという当たり前のことが、仕事をするうえで大切だと考えています。

コーヒーやフードの味や質はもちろんのことですが、先に紹介したエピソードのように人と人とのつながりを求めて来店される方が増えたら嬉しいです。わたしたちにとっては、普段の挨拶や一言のおしゃべりがお客様に届くことを意味します。ネームバッジに読んでほしいニックネームを付けて接客していますが、お客様と名前で呼び合える関係になったら素敵だなと思いますね。

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